多拠点生活のパラレルワーク!移住者視点で地域の魅力を再発見

中山 真波/地域おこし協力隊

船引町

IJU

私は東京出身で、前職ではフリーカメラマンをしていました。その傍ら、東日本大震災による原発被災地区での復興事業のひとつである道の駅の立上げに携わり、2019年に同じ問題を抱える被災12市町村のひとつである田村市へ移住してきました。

これまでのスキルを活かしたまちづくりを生業に

前職のカメラマンとしては、四季やポートレート、料理の写真を撮影しており、ポスターや雑誌、ホームページ写真として依頼を受けていました。また、道の駅の立上げでは、業者選定から商品企画、人事に携わっていました。これまでのスキルを活かし、よそ者視線で魅力の底上げや、被災地で抱える根深い問題に対し、若い人材と共にこれからの地域づくりを楽しみながら取り組みが出来ると思ったので、地域おこし協力隊として田村市への移住を決めました。現在では、避難を余儀なくされたゼロからのまちづくり再生へ取り組んでおり、まちの魅力づくりのひとつである地域商材開発や被災地の関係人口構築事業を担当しています。

子育てとともに選んだ多拠点生活

”シングルマザーで子供たちを育てる”そこが今の多拠点生活スタイルの原点です。自分自身が東京で育った環境の中では、カナダに本部を置く修道院経営の幼稚園に通っておりそこは一貫校ではなく、お受験にて進路を決めなくてはなりませんでした。自分が子育てをする上では、子ども達同士が幼い時から信頼関係のもと伸び伸びと暮らし、地方でもグローバルな学びがある教育をさせたいと思い、一貫校がある福島の姉妹校に通わせたいと決意しました。それから、福島⇔東京間は2時間弱で移動が可能だったので、基本的な拠点は福島に置きつつも、場所を行き来しながらの多拠点生活を行うことを選択しました。今では、二人の子供たちも首都圏に飛び出した社会人1年生と大学生となりました。そんな子どもたちは、生まれ育った福島のくだものや野菜、魚が大好きなので、リクエストがあるたびに送ってあげています。子どもたちも、なんだかんだ言って福島が好きなんだなって実感させられますね。この先、暮らし方や働き方を変えてみたいと考えている方は、目先のことよりも、その先に広がる生活スタイルを妄想し少しづつスローライフを取り入れることをおすすめします。その中で移住や多拠点への選択ができれば、今までになかった経験や豊かさが得られるのではないかなと思います。

田村で感じる地域の魅力とやりがい

田村市の中でも特にお気に入りの場所は、身の丈4メートルでなぎなたと刀を持ち、両手を広げて、通せんぼのしぐさをしているお人形様がある場所です。(田村市の屋形地区・朴橋地区・堀越地区)田村市は360度山々に囲まれた地域で、都会のように煌びやかな世界はありませんが、車さえ運転できれば、週末は気軽に海や山で美味しいものが食べられたり、アウトドアを楽しめたりできる環境です。休日は、多拠点先の福島県いわき市に居る事が多いので、休日は海を眺め、平日は山々に囲まれる。東京とは違い贅沢な環境ですね。仕事のやりがいについてですが、私が地域おこし協力隊として拠点をもつテラス石森では、移住者である田村地域外の人材も多く、試行錯誤しながらも、其々が持つスキルが絡み合いカタチになる瞬間が面白く魅力的です。新規事業を一から組み立てられ、チームで協力しながら事業展開が出来る事はやりがいですね。これからは、いろいろな生活スタイルや仕事の関わりがある中で、多拠点生活のひとつとして田村市と関わり、これまで伝わる田村地域の文化や伝統を食と絡ませ魅力的なまちづくりを行いたいと考えています。