最後まで無駄なく使う、循環する社会を作りたい

本間 誠/株式会社ホップジャパン

都路町

IJU

私は、田村市の都路町にある「グリーンパーク都路」内で、地元産のホップをふんだんに使用したビールを醸造するホップガーデンブルワリーを経営しています。

クラフトビールを軸にして産業の循環を作り、 人・もの・ことを繋ぎ、人々を笑顔にする

ビールに興味を持ったきっかけはアメリカに行った時です。どこに行っても香りと味が良くて、美味しく色んな種類があったので、ビールってこんなに奥が深くておいしいものだったんだと好きになりました。それ以上に、ビールを通して人との繋がりができる文化と、ビールが根付いたライフスタイルに魅力を感じたんです。そこで、ちょっとした幸せを運んでもらえるようなビール文化を日本にも根付かせたいと思いました。 震災があったタイミングで色々と思うことも重なり、やりたいことをやろうと思い、まずは仙台でビール事業を起業しました。クラウドファウンドの支援を受けるにあたって、福島に本社を移すことが条件になったため、田村市をホップの栽培地として紹介していただき、ホップの栽培だけでなくビールを一緒に作ることで、人とモノが繋がっていく社会を表現したいと思ったんです。 前職ではエネルギー業界にいたので、”最後まで無駄なく使う循環する社会を作る”そういった仕事をして生きたいと思っていました。最初起業した時はホップを使ってビールを作るだけ思考でいたのですが、田村市にきたタイミングでせっかくこういう環境の中でやるなら、自分の想いをここで繋げることができるのではと思いました。そして循環する社会、環境を良くするという思いを注ぎ込むことができてきました。それを可視化した資料にまとめた際、自分の中でとてもしっくりきたんです。今までよりも本当にやりたいことなんだと思え、それが今のやりがいにもなっていますね。

田舎だからこそ味わえるプロセス

都会であればはなんでもすぐに手に入りますが、常に局面でしかなくプロセスを味わうことができない。プロセスがあるからこそ、自然を守りたい、物を大切にしようという気持ちが出てくると思うんです。例えば混沌と小川が流れていて、そんなに高い山ではないのに日照りの日もずっと流れ続けているのを見ると、どこにそんな水が蓄えられているんだろうと想いを巡らせ、自然って本当にすごいなぁって思ったりします。そこで「この水を使ってビールを作ろう」と思うと、想いが変わってくる、そんなプロセスを味わえるのは田舎でしかない魅力だと思います。そういう面では田村市は本当に面白いところがいっぱいあるなぁと思いますね。

移住を考えている方は、思い切ってみたらいい。

昔と違って田舎に来る敷居が低くなっていると思います。田舎暮らしに憧れても、田舎は何かと大変だって言われていたと思いますが、今はインターネットもコンビニもありますし、生活に必要なものは手に入る時代に、わざわざ都会にしがみ付いてストレスを抱えている必要がないと思いますね。思い切って田舎にきてみれば道が開けると思います。実際にそういう人をたくさん見ていますしね。

緑とホップの風が感じられるブルワリーへ

美味しいビールを仲間のみんなで一生懸命に作って、ビジネスを軌道に乗せることが一つの目標ですね。そして、2021年4月からは当社の新たな施設として、ブルワリー隣にロッジを開業し、キャンプ場とグリーンパーク施設の指定管理業者として企画運営をしていきます。クラフトビールにキャンプに星空といった魅力溢れる施設を目指し、もっともっとこの地を盛り上げていきたいですね。常にここにくれば何かやってるね、逆に何もなくても来るだけで気持ちが良いねという空間にしていきたいと思っています。

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