地元のチャレンジ精神に心動かされUターン。田村の魅力を全国に発信!

菅野 千恵子/地域おこし協力隊

船引町

UTURN

私は田村市で生まれ育ち、就職をきっかけに上京し、和菓子屋の販売員として13年間働いていました。2020年の6月にUターンをし、現在は地域おこし協力隊として田村市への移住定住を促進するための企画運営の業務に取り組んでいます。

地元に戻る気は全くなかった

地元を離れてから、東京での生活が長かったこともあり、漠然と「このまま東京でずっと仕事をして、結婚して、家庭を持って、なんとなく過ごしていくんだろうなぁ」と思っていました。地元に帰省したとしても「何もないし、遊ぶところがないからつまらない」とさえ思っていたので、1泊だけして東京に戻るということがほとんどでした。東京での生活はもちろん楽しかったのですが、それ以上に日々の満員電車や人の多さなど環境に対するストレスも多いのが現実でした。人やモノ、情報が溢れる毎日の中で、本当に自分にとって大切なものは何かと考えたときに、もっとシンプルに必要最低限だけで暮らしたいと考え、まずは環境と働き方を見直そうと思うようになりました。帰省したタイミングで、たまたま幼い頃に行った片曽根山に立ち寄ってみたのですが、そこで見た田村市の景色に心が洗われ、『この田村市のためになるような働き方をしたいな』と漠然と思ったのです。自分でも不思議なのですが、本能のままに導かれるような感覚で、まさに片曽根山に呼ばれたような感じでした(笑)災害時などでもテレワークが可能な、場所を選ばない働き方がしたいとの想いで転職先を探していたところ、今拠点としているテラス石森の存在を知りました。地元の若い人や移住者が、廃校を利活用してテレワークセンターとしして立ち上げたというチャレンジ精神溢れる活動を知って、「地元出身の自分にもできることがあれば……!」と思い、居ても立っても居られなくなりました。

大人になって初めて気付く地元の魅力

帰ってきてよかったなと感じることは、遠出をしなくとも日常的に見られる自然の風景に心を奪われる瞬間がたくさんあるということですね。夏の昼と夜の間に見られる赤紫色の夕焼け空や、様々な色が重なり合って織りなす秋の紅葉、凛とした寒空のもと雪化粧をした雪山の景色など、高校生まで過ごした故郷ですが、その当時は「当たり前」だと思っていた景色も、今の自分にとってはそれがとても「特別なこと」だと感じます。同じ場所でも四季によって全く違う表情を魅せてくれるので、ちょっとした変化が楽しいです。人によって価値観はさまざまですが、都会では他人に無関心といった印象が自分にとっては辛いなと感じることが多かったので、地元での人との繋がりの深さには心地良さを感じますね。「あ〜、やっぱり自分はこっちの方が合っているな」としみじみ思ったりもしますし、自分らしく居られる気がします。

今いる場所に違和感を感じたのなら、行動する勇気を

私は、Uターンすることを決断するまで約1年間ほど葛藤しました。長年勤めた会社を退職することも勇気がいりましたし、やったことのない業種に挑戦することにも不安がありました。しかし、今いる場所で「このままでいいのだろうか・・」という心の違和感を持ち続けたまま生活を続けていく方が怖いなと思ったので、まずは行動するしかない!と思いました。Uターンしてからもうすぐ1年が経ちますが、あの時決断して本当によかったと心から思えます。想像以上に大変なことも多いのですが、環境が与える影響って本当に大きいなと実感していて、通勤ストレスはゼロですし、長い目で見ても家族の近くに居られるというのはお互い安心できるなと感じています。自分も移住を検討している段階では、こういった移住した人の声を片っ端から読み漁っていました(笑)なので、この自分の体験が画面の向こう側で移住を考えている誰かの力になれたらいいなと思っています。