ここ以外にないと思えたから、田村市にきました。

岡嵜 大治郎/地域おこし協力隊

船引町

IJU

ものづくりが好きだった幼少期

工作が好きだった子供の頃から、漠然と将来は”ものづくり”に関わりたいと思っていました。僕にとって“ものづくり”とは、工作のように誰もが簡単に作れるものでした。それを求め「ものづくり=工学部」と短絡的に考え進学したものの、学べたことは「ザ・工学部」的な4力(材料力学,流体力学,熱力学,機械力学の総称)のような計算的なもので、僕が思っていた“ものづくり”とは違っていました。授業だけでは物足りなさを感じ、学んだ技術を活かしたものづくり活動を主宰することで、自分の求める“ものづくり”に近づけた気がします。しかし、安易に地元で自動車の設計関係に就職したことで、僕の求める“ものづくり”とはどんどん乖離・・熱意はどんどん薄れていきました。(4力はもちろん日本のものづくり産業を支えているとても大切な学問分野です)

Switchとの出会い

そんな中偶然見つけた福島県田村市地域おこし協力隊のオンライン説明会。受託事業者であるSwitchの話を聞けば聞くほどワクワクする。「無いなら創ってしまえ」でSwitchを立ち上げたやばい人がいる。行きたい。田村でやりたいこと実現してみたい。 気づいた時には応募フォームを入力し、直近に現地で開催されるマルシェに行くと言っていました。7割の不安と3割の期待を胸に、金曜深夜に高速で田村市へ向かいましたが、街灯のない道を走り続けているうちに不安が10割に・・「こんなとこ大丈夫かよ」そう思ったのを覚えています。 しかし陽が昇り、Switchの拠点であるテラス石森の景色を見たとき「ここ以外ない」と期待が10割に。それくらい素敵な場所でした。バイクで来なかったことを後悔するくらいです。

田村で実現したいこと

田村は僕にとって「ここ以外ない」と思わせてくれるには十分すぎる場所です。課題に溢れているこの田村が、僕に非凡をくれた気がします。福島県は首都圏へ10%以上木材を供給している場所です。田村にも田村杉(SGEC認証林)があり、木材資源が豊富です。木材加工というと、木工職人さんが切ったり打ったり削ったりと、素人ではできないイメージがあると思います。確かに木工職人さん達の技術は素晴らしく、熟練と人の手が成せる世界に誇れる技術力だと思います。ですが、パソコンを使うと木工職人さんとは違った角度で木を加工することができ、誰もが頭の中のイメージ通りに木で表現できます。家や建物、大きな像を作り、高度な技術を要する“ものづくり”もあれば、誰もが簡単に行える“ものづくり”もある。それで良いのです。僕はそんな誰もができる“ものづくり”の体験、学習、実践できる場を、この田村に生み出したいと考えています。