チャレンジの積み重ねが「まち」をつくる。田村市常葉町の未来をつくる地域団体『acto』
acto
常葉町

まちの魅力は、風景や施設だけではなく、そこに暮らす人の活動から生まれるもの。福島県田村市常葉町では、地域の中でチャレンジする人を増やし、これからの常葉町をつくっていこうと活動を続けている地域団体「acto(アクト)」があります。今回は、acto設立の背景や現在の取り組み、そしてこれから目指す地域の姿について、actoの管野公士さんにお話を伺いました。
常葉町を盛り上げたい!acto設立の背景について
actoは、常葉町がこれまで紡いできた歴史を感じながら、このまちをもっと好きに、住みやすく、愛されるまちにしていきたいという思いを持ったメンバーが集まって生まれた地域団体です。
acto設立の背景には、2021年度からスタートした「田村市小さな拠点形成モデル事業」のプロジェクト「Act TOKIWA(アクトトキワ)」があります。遊休化しつつあった田村市常葉保健センターを「tokiwa+(トキワプラス)」として活用し、地域づくりや交流につながる活動を展開。その中心的な担い手として、プロジェクトに関わっていたメンバーでactoを組織しました。常葉町を中心に活動する20代〜40代の8名ほど。地域で自身のお店を開くなど、各々やりたいことにチャレンジする地域プレーヤーでもあります。
2023年度の事業終了後は拠点を持たない形で活動を継続し「Act TOKIWA」で生まれた取り組みの運営や、地域づくりにつながる活動に取り組んでいます。活動内容は「マルシェtoco*(トコトコ)」の企画運営、「地域新聞ときどき」の取材・編集・発行、田村市の姉妹都市・東京都中野区との交流を育む「どんぐりプロジェクト」の企画運営です。これらの活動を実施するにあたり、週1回のオンライン定例ミーティングを行っています。
actoの活動①町にチャレンジできる場を作ろう!マルシェtoco*(トコトコ)

「Act TOKIWA」の立ち上げ初期に開催したワークショップの中で、「地域の中にチャレンジできる場所があったらいいよね」と声が上がりました。施設を持つのは大変だけど、マルシェの形にすれば小さな規模から始められ、ワークショップや食事提供など、さまざまな出店の要望にも対応できるのではないかと考え、2022年3月27日に第1回のマルシェtoco*を開催しました。
チャレンジできる場があるというのはとても大事だと思います。なにか「やってみたい!」と考えている人が、そういう場に参加していろんな刺激や経験を得ることもそうですし、そういう場でチャレンジしている方をみて、「自分もやってみたい」というような相乗効果もあると思っています。初めて出店してみたいという人向けに、先輩出店者の話を聞き、自分はどのように出店していきたいかを整理する「出店チャレンジセミナー」を開催し、実際にマルシェtoco*で出店デビューをした人もいます。
いずれ、常葉町の商店街にある空き地や空き店舗前のスペースを活用し、既存のお店も含めて、まち全体で出店が増えているような風景をつくれたらと考えています。それをきっかけに、空きスペースで気軽に出店できる仕組みが生まれ、土日限定のチャレンジ出店を目当てに人が訪れる、そんな流れができたら理想的です。常葉町の商店街が、「ここなら新しいことに挑戦できる」と思える場所になっていけばいいなと思っています。
actoの活動②常葉町への愛がつまったご当地新聞!地域新聞ときどき

常葉町の魅力や地域の宝を発見・応援する、町民による町民のための新聞です。商店街の取材や歴史紹介、気になるスポットや新しい取り組みを、actoメンバーが企画・制作しています。各々が本業の仕事をしながら編集しているため、発行ペースはゆったりです。常葉町内のお店や公共施設で配布しています。
actoの活動紹介③復興と交流を育む!どんぐりプロジェクト

田村市の姉妹都市・東京都中野区との交流づくりプロジェクトです。田村市内に落ちているどんぐりを集め、中野区で開催される「花と緑の祭典」というイベントで配布、持ち帰った各家庭で育ててもらいます。芽を出す、あるいは苗木の状態になったら、再度「花と緑の祭典」に持参してもらい、田村市に持ち帰って植林するというものです。実施にはムシムシランドさんに協力いただいています。
このプロジェクトの背景には、常葉町と中野区の交流の歴史があります。
1982年に旧常葉町と東京都中野区が姉妹都市を締結し、40年以上交流を続けてきました。常葉町には「中野区常葉少年自然の家」が置かれ、中野区の小学5年生と中学2年生が林間学校で利用し、年間7000〜8000人の子どもたちが常葉町を訪れて友好を深めました。また常葉町の旧山根小学校と中野区の旧桃園第三小学校が姉妹校を提携、山根小の子が中野区の家にホームステイし、中野区の子は中野区常葉少年自然の家に宿泊しながら常葉町内で農家体験などを行いました。ほかにも、常葉町から農産品やポニーを連れて中野区のイベントに出店したり、スポーツ交流をしたりなど、常葉町と中野区の交流は大変盛んで、人と人のあたたかなつながりが育まれてきました。
しかし東日本大震災と原発事故の影響で、中野区常葉町少年自然の家は利用停止、老朽化もありその後閉園となりました。姉妹校交流も両校が廃校となり、小中学校の交流はストップ。イベント出店とスポーツ交流は今も続いていますが、コロナ禍や担当者の変更などが重なり、姉妹都市の交流の重要性も含めて、いろいろと薄まってきているのが現状です。関係人口づくりの重要性が高まる中、つながりが薄れていくことへの危機感と寂しさから、災害に左右されない新たな交流の形として「どんぐりプロジェクト」が生まれました。一般社団法人Switchの大学生インターンと企画を練り、2022年秋に開催された中野区の「花と緑の祭典」で、どんぐりや苗木を配布する取り組みをスタートしました。
初回はどんぐり3つを1セットにして130セット390個と、当時ムシムシランドに勤めていた吉田吉徳さんが提供してくれた苗木20本を、取り組みの意図を書いた紙と一緒に、中野区の皆さんに配りました。その後2023年に300個、 2024年に196個、2024年に276個を配り、苗木は合計85本ほど配布。中野区の皆さんから戻った苗木87本のうち20本を、ムシムシランド周辺に計3回植林しています。

次回のマルシェtoco*は「ABUKUMAうんめぇFES」とのコラボ!
次回のマルシェtoco*は、2026年3月20日(金・祝)に田村市運動公園総合体育館で開催。屋外では、人気キッチンカーや新鮮な農産物が集まる「ABUKUMAうんめぇFES」も同時開催されます。常葉町を拠点とするマルシェtoco*にとって今回は出張版となり、出店者数は40店以上と過去最大規模。県内各地からの出店に加え、初出店者や、これまで運営スタッフだった人が出店者として参加するなど、新たなチャレンジも生まれています。オリジナリティのある作家さんたちが、訪れる人に楽しんでもらうための工夫やチャレンジを重ねていますので、その取り組みにも注目してもらえたら嬉しいです。

actoのこれからのこと
少しでも常葉町を「おもしろい」「盛り上がってきたな」と感じられる状態をつくっていきたいです。今はまだ一つひとつ形にしている段階で、固まってきたら、これまで常葉町のイベントを支えてきた実行委員の方々や商店街の皆さんと一緒に、新しい取り組みにも挑戦していけたらと考えています。成果や目に見える変化を実感できるのはもう少し先かもしれませんが、細く長く、続けていくことを大切にしています。
まちが盛り上がるというのは、単にイベントを開催したから実現するものでも、一過性の行政事業だけで生まれるものでもないと思っています。そこに暮らす人たちが積み重ねてきた努力の結晶であり、その関わり方や挑戦の積み重ねこそが、まちの歴史をつくっていくのではないでしょうか。
ビジネスでも趣味でも、地域の中で活動する人が増え、住民一人ひとりが地域のプレイヤーとして関わっていく状態こそが、「まちが盛り上がっている」ということだと感じています。だからこそ、地域でチャレンジする人を増やしていくこと、そのきっかけづくりやチャレンジを後押しする仕組みが大切だと考えています。
田村市に移住を考えている方へのメッセージ
田村市は広く、地域ごとに異なる歴史や背景があります。自分のやりたいことに挑戦するとき、そうした地域の歩みに触れながら取り組むのも面白いです。もともと住んでいる人に話を聞いたり、公民館などにある昔の広報誌を読んだりすることで、人から人へと受け継がれてきた温度感を感じられるはずです。
常葉町に興味がある方、町に関わることに挑戦してみたい方は、ぜひactoのInstagramへDMでご連絡ください。
acto
Instagram:https://www.instagram.com/acto0509/










