ふるさとで改めて感じる“ふつう”の暮らしの心地よさ

三瓶 希恵 / テレワーカー

常葉町

IJU

私は、福島県田村市常葉町で生まれ育ち、専門学校へ通うために上京してから2019年にUターンしてくるまで、地元から離れた場所での生活を送ってきました。
関東でキャリアを築きながらも、故郷である田村市に戻ってくる「Uターン移住」という選択しました。

新しい“気づき”を求めて。ふるさとで働くという選択

自分が育ったところで暮らしてみるのも、新しい発見があるかなと思ったんです。成人してからずっと地元を離れ、東京などで営業事務の仕事をしていましたが、結婚と離婚を機に、実家のある田村市での暮らしに興味が湧き、Uターン移住を決めました。首都圏で暮らし続けるという選択もできましたが、「今の自分なら昔と違った視点で地元を見ることができるのでは」という期待もあり、新しい道を進む決断をしました。
現在は、田村市船引町で植物工場の研究開発やコンサルティングを行う「プランツラボラトリー株式会社」で働いています。いちごの水耕栽培の研究サポートや、植物の管理を担当しています。これまでとは畑違いの分野なので、思い通りにいかず苦労もしますが、植物が育つ姿を実際に見られるので、やりがいは大きいです。

地方でも叶う。「テレワーク」でスキルを活かした働き方

実はもうひとつ、東京にある会社から委託される事務仕事をテレワークで行っています。移住したらこれまでの経験やスキルを活かせないのでは…と心配していたのですが、田村の自然に囲まれながら、首都圏での仕事で培った事務スキルを活用して仕事をできているのは、自分としても嬉しいことです。田舎にいたって、いろんな働き方の選択肢が実現できることを身をもって体感しています。
これまで出会った地方のテレワーカーは、高いスキルとモチベーションを持つ方が多く、私もたくさん刺激を受けています。一方で、働く場所や働き方がマッチせず、能力があるのに活躍できない人がたくさん居るという現実も知りました。特に子育て世代のママさんに多いように感じます。テレワークの可能性を肌で感じているので、私自身も多様な働き方を広める手助けをできたらなと思っています。

ふるさとは理屈抜きに“やさしい”。大人になって感じる田村の魅力

田村市で一番良いのは、自然が多いことだと思います。美しい山々や田園風景に囲まれた生活の心地よさ、採れたて野菜のおいしさは格別ですね。大人になってから中々会う機会のなかった同級生と改めて交流できたり、家族との時間もゆっくり持てたり。これまでは長期休暇は帰省のために使っていましたが、今は毎日家族と会えている分、休みは自由に使えています。自分が育ってきた場所なので、理屈抜きにふるさとならではの “安心感” を肌で感じられるのが、何より良いなと思います。

ふつう”を楽しめる豊かさと、その環境のありがたさと

Uターン移住をして感じていることは「たくさんの人に助けられている」ということです。いただいたご縁や周りの方のお力添えがあって、はじめて自分はここに立っていられるのだと実感しています。なので今は感謝の気持ちが大きいですね。
暮らしに関して言えば、“ふつう” に生活をしたい、という感じで移住してきたのですが、田村にはわざわざ遠出しなくても自然に囲まれた生活があり、季節ごとの美味しい食べ物があって、普段の“ふつう”の生活がとても充実していると感じています。子どもの頃には当たり前過ぎて気づけなかったふるさとの魅力を、大人になって再確認できたのは、Uターンをしてきて良かったなと思う点ですね。