【開催報告】プロに聞く!福島の田舎暮らしとお金の話

オンライン

EVENT REPORT

2023年6月16日(金)に、移住前後やライフプランに合わせたコストをプロと一緒に考え、移住に関するお金や田舎暮らしについて理解を深めるオンラインイベントを開催しました。
今回は田村市で40年間、地域住民の資産形成や保険などの相談を受けている有限会社エンドーフィナンシャルの菅野隆之さんをお招きし、田村市民の光熱費や車関係費などの家計支出の事例紹介や住宅・子育て事情などをご説明いただきました。また参加者にそれぞれの移住前後の生活費用をシミュレーションしてもらう、ワークショップも行いました。

ゲスト:有限会社エンドーフィナンシャル 菅野隆之 様
大越町に本社を構える、地域に根差した独立系金融アドバイザー(IFA)。顧客の目的やライフプランに合った商品案内や資産形成のアドバイス等を行い、お客様が経済的に豊かな生活を送れるようサポートを行っている。その他お金の学校というセミナーを実施し、お金や資産形成についての知識・情報を提供している。プライベートでは、田村市にて中古住宅を購入しリノベーションを行い、子育てを行っている。

移住前から経費はかかる!考えておくべき、移住に関するお金事情

■移住前にかかる費用の目安について

移住先がどんな場所なのか、どのような暮らしができるのかを調べることから移住は始まります。そのための準備資金をきちんと確保し、情報を集めておくことがとても重要となります。

【移住検討費用】
 移住フェアへの参加や現地視察の際の交通費や宿泊費(数万円程度)
※田村市の場合、事前申請の上、条件を満たした場合に支給される補助金があります。

【住居費】
 賃貸の場合は初期費用が、新築や改築は購入費や修繕費などがかかる(数十万~数百万円)

【引越し費用】
 引越し業者の繁忙期や閑散期に左右される。単身で8~10万円、世帯で20~30万円程

【車購入費】
  地方で生活する場合、一人一台あると良い。車検や保険費もかかる(数十万~数百万円程)



■移住後の生活費について

移住後にかかる大きな費用は、「住まい」に関わる費用です。賃貸や新築、中古物件など、様々な選択肢がありますが、それぞれのメリットやデメリットなどについて理解しておきましょう。

①賃貸
メリット:すぐ入居、転居ができる。住宅修繕が不要。
デメリット:物件が中央に限定される。戸建て物件が少ない。

②新築
メリット:自分の望む住宅を建てることができる。
デメリット:取得コストが高い。(土地込みで3,500~4,000万円程)入居まで時間がかかる。

③中古物件
メリット:新築に比べてコスト抑えられる。
デメリット:規格が決まっている。ランニングコストがかかる(修繕費や火災保険の料金が新築に比べて2倍ほどかかる)

菅野さん曰く、ニュータウンのような住宅地の土地は人気で坪単価が高めであり、100坪1,000万円くらいのイメージだそうです。

「賃貸は単身者で4.5~6万円程度、家族世帯で5.5~7万円程度。土地代は場所によって単価もばらつきがありますが、田村市の山林や田舎の方の土地は1坪1~2万円で購入可能です。田村市内の中古物件(空き家バンク登録物件)は、90~1,000万円と価格帯の幅が広いのですが、中古物件は家財が残ったままの物件もあるので、それの処分費なども購入者が負担することもあるため、実際にはそれ以上かかることもあります。畑がついていたり庭が広かったりすると整備の手間もかかりますし、地域の草刈り(地域奉仕)などもあるため、近所付き合いなども考えて購入した方が良いですね」とお話いただきました。



■水道光熱費について

田村市では、冬場は暖房(灯油ストーブなど)を使用するため、光熱費が多くかかります。田村市は都市ガスではなくプロパンガスなので、都市部と比べると比較的費用が高くなります。水道代に関しては、井戸水を使用する場合は水道代がかかりません。下水が通っていない地域は浄化槽を設置しなくてはならないため、維持費が年間6万円程度かかります。



■車関係の費用について

田村市などの田舎暮らしでは車が必須です。観光スポットやキャンプ場などのアウトドアスポットは電車やバスではいけない場所が多く、一家に一台ではなく一人一台を保有していると言っても過言ではありません。また、タイヤ交換や車検などの維持費に加え税金もかかってきますので、そのお金も考慮しましょう。



■子育て関連の費用について

田村市では0~2歳までは、世帯収入によってかかってくる費用も変わります。満3歳から満5歳までの児童の保育料は無料、18歳以下の子供の医療費も基本無料です。田村市には私立学校がないため、公立の小中学校に通う子がほとんどで、自然を楽しみながら子育てできるのが田村市のメリットです。



■質疑応答

──保育園はすぐに入れますか?
A.今のところ待機児童はいないのですぐに入れます。

──田村市に仕事はありますか?
A.製造業、土木建設業、介護福祉業での求人が多いです。そのほか、職種を選ばなければいろんな求人があります。田村市の就業者数は13,000人で、そのほとんどが車で通勤しています。田村市に住みながら、郡山市などの田村市以外の地域で仕事をしている方もいます。

田村市:フルタイム22万円、パート時給1,000円 年間平均給与 約380万円
郡山市:フルタイム23万円、パート時給1,030円 年間平均給与 約445万円
(福島県の平均年収は47都道府県の中で40番目)

──田村市での平均年収レベルで、将来の備えや投資を含めた生活は可能ですか?
A.田村市での一人の平均年収は300~400万円くらいです。子育て世代は共働きが多いですね。一人の稼ぎでできないことはありませんが、その分、支出を減らしながら貯蓄を増やすことを意識しなくてはなりません。今は金利が少ない時代なので、NISAなどの資産運用で自分のお金を自分で作っていく時代になりました。

田村市で生活すると、外食が減ったり、野菜やお米を近所の人からいただいたりすることがあるので、食費や娯楽費の支出が減ることがあると思います。



体的な移住前後の生活費用シミュレーションを通して、計画的な移住を

今回のイベントでは、参加者の皆さんがワークシートを使い、各自で移住前後のシミュレーションを行って具体的なコストについて計算をしました。

また、福島県や田村市では、移住に関する各種支援金を利用することができます。
・福島県12市町村移住支援金
・移住希望者向けの交通費・宿泊費などの補助
・賃貸住宅の家賃補助
・転入子育て世帯住宅取得補助
・空き家リフォーム補助      など

詳しくは下記リンク先にてご確認ください。
たむら暮らし(補助金や支援制度)

豊かな自然の中でのびのびと暮らせるイメージが強い、地方移住。準備段階からきちんとお金の計算をして、理想の移住生活を楽しく送りましょう!

今回は5名の皆様にご参加いただきました。参加者からは、

・現実に即したお話が聞けて良かったです。 今回頂いた情報はかなりリアルな情報をいただいていると感じており、大変為になりました。
・光熱費が高いというお話や、近所付き合いによる相互扶助のお話は、かなり興味を持って聞かせていただきました。
・全体的に楽しい雰囲気でお聞きすることができた良かったと思います。

との感想をいただきました。

たむら移住相談室では今後も、田舎での暮らしを満喫されている方や活躍する地域プレーヤーをゲストにお迎えしてオンラインイベントを行います。ぜひ今後の情報もチェックしてみてください。

たむら暮らしイベントページはこちらから!