【開催報告】福島県田村市オンライントークイベント「都会で働いていた僕が 自然と向き合う仕事を選んだ理由」

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2022年7月9日(土)に、都会から福島県田村市に移住した方からお話を伺うオンライントークイベントを開催しました。今回は横浜で動物の飼育員をしていたのちに、田村市に移住して「林業」という未知の世界へ飛び込んだ「古瀬希啓さん」をゲストとしてお迎えし、なぜ横浜という都会から田村市への移住を決意したのか、どうして転職先として未知の仕事である「林業」を選択したのかなどについて、お話ししていただきました。

ゲスト:古瀬希啓さん(田村森林組合所属)
埼玉県さいたま市出身。動物飼育の専門学校を卒業後、神奈川県横浜市にある動物園に就職したが、コロナ禍により離職。林業に興味を持ったことで福島県田村市にIターンし、田村森林組合に就職。平日は森林組合で働き、休日は叔父の米農家の手伝いをしたり、キャンプをしたりと、仕事もプライベートも充実した生活を送っている。座右の銘は、「気合いと根性」

埼玉県で生まれて横浜にて7年間動物の飼育員として働いていた古瀬さん。しかしコロナ禍によって動物園の経営が厳しくなり、その影響で仕事を失ってしまいます。そして、その機会に祖母の家のある田村市に引っ越そうと決意。
その時、たまたま電車内の吊り広告で「林業祭」という林業や森林組合に関するセミナーが開催されることを知りました。
学生の時に見た林業をテーマにした映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」で林業に憧れを抱いていた古瀬さん。劇中の「生えている木を全て切ってしまえば自分たちの収益にはなるが、子孫に木を残すことができない」という台詞に感動した古瀬さんは、そのセミナーへの参加をきっかけに、田村市の森林組合にて修行することになりました。


木を切るだけではない、『林業』という仕事

山や森に入ってチェーンソーで木を切るというイメージが強い林業。しかし、林業の業務はそれだけではありません。
入社後、古瀬さんは森林経営課に所属。木を切る前の段階を担当し、木を切る場所の大きさを測量したり、撮ってきた現場写真をパソコンでまとめるなどの内勤の仕事を担当しています。

「整備されていない森や山に入って境界杭というものを復元し、その範囲にどれくらい木が生えているかを図っています。山を作る初めの第一歩となる『植え付け』なども行います。現在、林業に就業してから二年目になりました。始めは右も左もわかりませんでした。先輩が実際に木を切っているところを見せていただき、憧れている仕事の様子を実際に見ることができて、とても感銘を受けましたね!
唯一、入社前のイメージと違ったところは、内勤勤務だったことです。しかし、木を切る上で測量は欠かせない大切な過程なので、きちんと責任を持って業務を行っています」

そんな古瀬さんに、林業のリアルに迫る質問にお答えいただきました。


─林業の世界に入ったきっかけは?
古瀬さん:電車内の吊り広告で見かけた『林業祭』というものに参加したことです。林業とは何か、森林組合とは何かという内容のセミナーで、日本各地の森林組合のブースが出展されていました。その中で福島県のブースを見つけて担当の方という話をしていくうちに、祖母の家の近くに田村森林組合があると教えてもらい、修行にいくことに。こういった林業のセミナーは関東でも頻繁に開催しているようです。体験ツアーに参加して実際に木を倒しているところを見た時には感動しました。体験ツアーは森林組合に連絡すれば参加できると思います。


─『林業祭』で各部ブースに違いはありましたか?
古瀬さん:意外なことに、東京、埼玉、千葉のブースの椅子の数が多かったことですね。奥多摩などは森林も豊富だから、就業希望者も多いのではないかと思いました。


─林業の世界に入る際に不安はありましたか?
古瀬さん:命に関わる仕事というとことが1番大きい不安でした。伐採の際に、自分のほうに木が倒れてしまったらどうしよう、伐採中に蜂の存在に気づかずに刺されてしまったらどうしようとか。実際には、働き蜂が飛んでいないか周囲を十分に注意して見たり、木が重なっていて蜂が巣を作りやすい環境の場所を避けたりといった対策をとりながら業務を行っています。


─暑さや寒さ対策、体力面での問題は?
古瀬さん:元々体力には自信があったので気合と根性で乗り切れました。実際に林業に従事する際は、体力や体調管理が大切になってきます。暑さ対策については、服に扇風機ついているものを着たり、外作業の時は1時間に一回必ず休憩を挟んで水分補給をしたりと森林組合でも徹底しています。体力はあるに越したことはないですね。


─林業に従事している方の年齢層は?
古瀬さん:若い人もいますが、ベテランは40~50代が多いです。職人さんだと60~70代の人たちもいらっしゃいます。未経験で林業を始める人の中にも40~50代の人はいます。チェーンソーと刈り払い機の講習を必ず受けて免許を取得することが絶対条件です。それらは、「緑の雇用制度」の一環であるフォレストワーカー制度で取得可能です。チェーンソーの手入れや木材を集める機械の操作方法など、一から全て学べます。私の場合は費用は森林組合が負担してくれたので、自費負担はありませんでした。

◆緑の雇用制度


─辞めたいと思ったことはありますか?
古瀬さん:ありません。動物も自然も好きなので、自然の中で仕事をすることができ、また、休日も野菜を育てたり散歩したりできて私生活がとても充実しています。


─前職との違いはありますか?
古瀬さん:前職は動物の飼育員だったのでシフト制でした。動物のお世話があるため、お盆も正月も関係なく出勤していましたね。今はカレンダー通りのお休みです。残業も休日出勤もほぼありません。今の生活の満足度は120%です。


─移住前と今とで休日の過ごし方や価値観に変化はありましたが?
古瀬さん:横浜にいた時は友人と遊んだり服や靴を買ったりしていましたが、田村市にきてからは生活様式が大きく変わりました。お米や野菜を育てたりして、田舎暮らしを満喫しています。
それと物欲がなくなりました。服や靴が好きだったのですが、それよりも車やキャンプ用品にお金をかけるようになりました。都会にいる時よりも、他人の目を気にしなくなって、着飾ることよりも仕事や生活を重視するようになったのです。見た目より中身重視という価値観に変化したのだと思います。


─移住に関する不安はありましたか?
古瀬さん:新しい土地に飛び込むことは不安でした。それと車が必要なことですね。移住前まではペーパードライバーだったので、実際に運転できるかが不安でした。


─林業の女性の割合や独立について
古瀬さん:職場にも女性の方はいます。今年も女性2名が入社予定です。林業は男女関係なく活躍できると思います。スキルと経験があれば独立もできます。


─林業をやっていて良かったと思う瞬間
古瀬さん:昼食を自然の中で食べれることが嬉しいですね。磐梯山を眺めながらの食べる昼食は本当に最高です。


山を育て、次世代に繋いでいく林業

DGsでピックアップされることも多くなった林業。スマート林業としてドローンで測量したり、無人重機で作業を行ったりと近代化も進んでいるそうです。

木を育て、山を育てていく大切さ。植林をして木材として使用できるまで時間をかけて木を育てるのも林業の大切な役割だと古瀬さんは語りました。

「将来的には森林組合の木でログハウスを作りたいです。それと、祖母が築いてきたものを守っていけるように米作りや家を守っていきたい。幼少期の長期休暇に田村で過ごした楽しい思い出があるので、それを他の子供たちにも経験させてあげるためにも、戻って来れる場所を残しておきたいのです」

最後に人生を充実させるコツについて尋ねると、

「思っていることを叶えるために行動に移すことが大切だと思います。十年二十年やっている仕事があるとか家族がいるとかだとハードルが高いと思いますが、そこを一歩踏み出すと新しい世界が拓けます。本当にやってみたいと思うことは実際にやってみることが大事だと思います。なんとかなるという考えを持って入れば、充実した生活が送れますよ」

と、移住希望者への熱いエールを送ってくださいました。

今回は9名の皆様にご参加いただきました。参加者からは、

・林業に対する考え方、オフの過ごし方など楽しかった
・ 林業は未知の世界だったので、直接お話を伺うことで イメージや興味を抱くことが出来た貴重な時間でした
・福島県内で林業就業志望しており、来月田村市訪問を検討していた最中だったので、とても参考になりました

とのご感想をいただきました。

12月23日(金)には現役地域おこし協力隊がお答えするオンライントークイベント「福島のパイセン移住者とつながる 第3回 地域おこし協力隊のぶっちゃけ対談!地域の”あれこれ”を語る会」 を開催いたします。移住や地域おこし協力隊にご興味がある方はぜひご参加ください。

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