【イベントレポ】どう始める?どう学ぶ?林業のはじめ方、教えます!

オンライン

2025年10月17日(金) に、林業業界への就職方法や支援制度について先輩林業従事者から話を聞くオンラインイベントを開催しました。

今回は、福島県田村市にあるフォレストクリエイト合同会社の遠藤剛範さん、田村森林組合の大槻学さんと伊藤楓子さんの三名をゲストにお招きし、林業の世界に入ったそれぞれのプロセスやリアルな感想などについて詳しく伺いました。

【ゲスト】

・伊藤楓子さん(田村森林組合 造林班:緑の雇用制度活用者)
千葉県成田市出身。都内にて公務員として働いていたが、転職を決意。外出制限中のコロナ禍に、自然と関わりながら生活をすることが向いていると実感し移住を検討。地理的条件などから福島県を中心に就林先を探し、女性の受入れ態勢・林業の領域などから田村森林組合へ入組。

・遠藤剛範さん(フォレストクリエイト合同会社
高校卒業後、製造業で約13年間勤務。自然と関わる仕事を求めて職場体験を経験し、特殊伐採の魅力に惹かれて林業の道へ。林業歴2年目。現在は特殊伐採を中心に、親方の指導のもとで経験を重ね、日々技術を磨いている。

・大槻学さん(田村森林組合 造林班:林業アカデミーふくしま卒業者)
コロナ禍をきっかけに24年間勤めた飲食業を辞め、林業へ転職。林業アカデミーふくしまで学び、現在は田村森林組合(造林班)で森づくりに携わる。ゼロから始めた林業だが、現在は林業に必要な資格10数種類を修得している。

・桑原大和さん(福島県農林水産部 林業研究センター 企画研修部:林業アカデミーふくしま就業前長期研修担当 技師)

林業をはじめるための3つのルート

──林業を始めたきっかけについて教えてください。

[伊藤さん]
もともと都内で公務員をしていましたが、コロナ禍で外出規制に。身近に自然がある環境にいたいと思い移住を決意しました。転職先として林業は考えていませんでしたが、調べているうちに環境整備として林業の記事を見て、それがきっかけとなりました。

[遠藤さん]
高校卒業してから工場で働いていたのですが、自分の好きなことをしたいと考えるようになりました。自然やキャンプが好きだったので、それに関わる仕事を調べていたら林業を見つけました。

[大槻さん]
釣り堀に行った際に、最近は山の手入れをする人が少なくなり、水が汚れたり減っているという話を聞き、「林業」が環境に対して今後重要になる産業だと気づきました。人間にとって重要な水を作る産業として「林業」について調べ始めたのがきっかけです。

──どうやって林業を始めたのですか?

[伊藤さん]
福島県に移住することを決めてから、自宅から近いところに勤めたいと考えました。緑の雇用制度を利用できる事業所を調べて会社を絞り、カレンダー通りの休日で月給制のところを探し、そこで森林組合を見つけました。

[遠藤さん]
インスタグラムで林業の事業体を調べたらフォレストクリエイトの投稿を見つけました。そこに求人記事があり、職場体験を通して特殊伐採を知り、面接を受けてその場で合格をもらいました。

[大槻さん]
林業アカデミーに一年間通いました。転職を考えていた時、コンビニに貼ってあった林業アカデミーのポスターを見たのです。一年間考えてみようと思い保留にしていて、一年経ってやっぱりやりたいと思い、林業アカデミーに入りました。

田村市で林業をしたいと思った時の3つの就業ルート

①緑の雇用制度を利用して働きながら学ぶ
②一人親方のもとで働きながら学ぶ
③林業アカデミーで林業について学んでから働く

①緑の雇用制度を利用して働きながら学ぶ

──緑の雇用制度について教えてください。

[伊藤さん]
未経験者が林業のスキルアップを図るための研修制度です。テキストを見ながら講義を受ける集合研修と、現場で実際に作業する実技があります。各事業体で作業をしながら技術を学ぶこともあります。同じ会社の先輩が指導員となり、仕事のやり方を教わりながらアドバイスをもらいます。フォレストワーカーは3年、フォレストリーダーは5年、10年目でフォレストマネージャーなどキャリアアップを支援してくれます。

②一人親方のもとで働きながら学ぶ

──一人親方のもとでは、どのように学ぶのですか?

[遠藤さん]
親方からチェーンソーの持ち方などの基本から教えてもらいました。半年で木に登って特殊伐採を始めました。

──特殊伐採とは?

[遠藤さん]
民家などが近くにあって木を倒せない場所で行う伐採方法です。木に登って上から徐々に木を切っていきます。

──一年目と二年目では行う作業は違うのですか?

[遠藤さん]
一年目は上下の移動だけを考えて作業する針葉樹を担当しました。二年目は広葉樹。横に出ている枝葉をどこに落とすかを考えながら作業をしました。

③林業アカデミーで林業について学んでから働く

──林業アカデミーについて教えてください。

[大槻さん]
一年間通います。前期は資格取得を中心に、林業に関する知識などをいろいろな講師から教わります。木材を利用した建築や獣の食害、スマート林業について学び、インターンシップもあります。施設が充実していて最先端のシミュレータなども整っています。

林業アカデミーふくしま
就業前に行う一年間の長期研修。樹木学、林業の主道具、木材加工、林業経営、ハーベスタシミュレータ、森林データ、測量や材積などの知識を習得し、インターンシップなども実施。実際の現場での実習もある。13個の資格の取得も可能で、取得費用は全額県が負担。防護服等の自分の装備費は自己負担で20万円程度。年間142万円の緑の青年就業準備給付金(条件あり)という制度もある。現在、来年の5期生を現在募集中。

──研修や現場で印象に残っているエピソードは?

[大槻さん]
重機などの色々資格を取りましたが、組合に入ってすぐは触れる機会が少ないです。唯一、切った木を搬出する時に操縦したのですが、最初はやっぱり怖いですね。

──それぞれのメリット・デメリットは?

[伊藤さん]
研修で使うテキストには先人の知恵がまとめられており、基礎を全員で共有できる点は大きなメリットです。一方で、就職先ごとに事業内容が異なるため、人によっては実務と直接関わらない内容も学ぶことがあります。

[遠藤さん]
メリットは親方や経験者の仕事を間近に見られて、マンツーマンで指導を受けられること。うちは特殊伐採を中心にやっているので普通の林業の仕事はあまりせず、偏った知識になってしまうところがデメリットかもしれません。

[大槻さん]
安全を意識した作業が身につき、資格を取得できた点は大きなメリットです。実習や見学の機会が多かったことも良かった一方、現場で使わない資格は忘れやすいため、自己復習が必要だと感じました。

──実際に林業やってみてどうですか?

[伊藤さん]
想像以上にうまく行ってよかったなと思ってます。技術があればあるほど効率が上がり、仕事がうまくてスムーズにやってる人は重宝されます。自分の好きな仕事をやっているから、前よりも自分のことが好きになっていますね。

[遠藤さん]
やりがいと楽しさを感じられる仕事です。難しい現場もありますが、安全と効率を考えながら段取り通りに進めて、お客さんに喜んでもらえる瞬間が嬉しいですね。

[大槻さん]
目立てをしっかりできるようになって作業をスムーズに進められるのが楽しいです。向上心を忘れずにやっていきたいと思います。

【質疑応答】林業アカデミー卒業後の就林率や離職率は?

卒業生42名のうち、就職率は100%です。離職率は7%(3人)です。

【質疑応答】必要最低限の資格はありますか?自力で資格取得するにはどうすればいい?

必要最低限の資格は、チェーンソーと刈払い機の資格。自動車学校で資格取得をしているところもあります。林災防という組織が各県にあり、そこで林業の資格の講習会をやっているので調べてみてください。

自分に合ったルートを選び、林業の世界へ踏み出そう!

福島県田村市では、林業への就職をご希望される方に向けたトライアル林業「田村フォレストカレッジ」を開催しております(通年受付)。専門のスタッフとのヒアリングを通し、田村市の特色ある林業事業体を比較しながら、ご都合に合わせた日時での林業体験・見学ができますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にたむら移住相談室までご相談ください。

今回もたくさんの方にご参加いただきました。参加者からは、

・林業の始め方には3パターンあるということが理解できました
・それぞれの就業ルートのメリット、デメリットを聞けて参考になりました
・女性からの視点や、面白さも知ることができて良かったです

との感想をいただきました。

たむら移住相談室では今後も、田舎での暮らしを満喫されている方や活躍する地域プレーヤーをゲストにお迎えしてオンラインイベントを行います。ぜひ今後の情報もチェックしてみてください。

たむらぐらし
https://tamura-ijyu.jp/event