【開催報告】たむら農家にズームイン#5|脱サラリーマンに聞く!農業のはなし | たむらぐらし。~ 福島県田村地域の移住・定住情報サイト ~
【開催報告】たむら農家にズームイン#5|脱サラリーマンに聞く!農業のはなし

1月19日(水)zoomによるオンラインイベント、「たむら農家にズームイン#5|脱サラリーマンに聞く!農業のはなし」を開催しました。
 
田村市にてさつまいもの栽培・加工販売を行なっている松や農園 佐藤松美氏、国産キクラゲとしいたけを栽培している移ヶ茸 安田悟氏のお二人をお迎えし、元サラリーマンだからこそ展開できる農業ビジネスの経営方法について詳しくお話しを聞きました。
 
【ゲスト略歴】
 
・松や農園 佐藤 松美氏
『遊休農地を減らして地域の農村環境を守りたい』という想いから就農を決意。両親の野菜作りを受け継ぎながら新規でさつまいもを栽培し、6次化商品の販売に取り組んでいる。
 
「松や農園」公式Facebookはこちら↓
https://www.facebook.com/umaihoshiimo
 
・移ヶ茸 安田 悟氏
製造業の会社を脱サラし、きのこ農家に転身。国産品が少ないキクラゲとしいたけを栽培中。品質管理やコスト削減の手法を生かした経営を目指し、市場のニーズと合致する作物を積極的に生産。
 
「移ヶ茸」オンラインショップはこちらから↓
https://utushigatake.raku-uru.jp/smt-list
 


 
 

■脱サラして農業を選んだきっかけ


 
ーなぜ脱サラして農業を選択したのですか?
 
佐藤氏:実家が昔から農業をやっていて、定年後に農業をしようと思っていました。50歳を越した時から管理職になり仕事環境が変化。そんな時に両親が古いハウスを処分するという話があり、「俺がやるから壊さないで」と伝えた瞬間に就農する覚悟が決まりました。定年してからではやりたいことができない、動けるうちに就農しようと思い、そこから農業をはじめました。
 
安田氏:会社に入社した時は社員が5人の零細企業でした。19年間勤めて最終的に社員も売上も増えたのですが、会社がそれ以上拡大することができなくなりモチベーションが保てなくなって。そこで一から自分の力を試して挑戦したいと思い、一念発起し農業をはじめました。
 
ーどうして今栽培されている作物をメインに選んだのですか?
 
佐藤氏:農業をやっていく上で意識したことが「遊休農地を減らしたい」ということでした。うちの地域は冬が寒すぎて栽培が難しいので、冬の収入確保のためにも作物を加工して販売がしたかったんです。福島で販売されている干し芋は茨城県産のものが多く県内には競合が少ないということ、そして近年のさつまいもブームにも後押しされ、これはビジネスチャンスになると思い選びました。

 
安田氏:うちの土地は山の中腹で段々畑のようになっていて、露地栽培には向かない状態なんですよね。逆にそれを活かして、狭い面積でも収量が確保できるようキノコを選びました。

 
ーサラリーマンならではの視点で農業に活かせたことは?
 
安田氏:サラリーマン時代は「無駄なことはするな」とよく社長に言われてました。私も経営者になり色々と作業効率を上げる工夫をしています。1人で多くの量をこなすためには、ほんの少しの改善が作業時間の削減に大きく影響してきます。
具体的には次のとおりです。
 
・湿度が多いハウス内でもビニール袋も取り出しやすいよう、設置方法を変えたことで取り出す時間が1枚で2秒短縮。
・配達用電気自動車の充電時間短縮のため自分のハウスに充電設備を設置。
・ハウスの電気スイッチを複数個つけて付けたい部分だけ電気を付けられるように改造し、電気代節約。
・しいたけのゴミを飛ばすエアブローを足踏み式に変えて時間短縮。
 
佐藤氏:就農当時は干し芋の切れ端は自家消費したり、ご近所さんに配ったりしていたのですが、無駄をなくすためにもその切れ端を使って「濃縮さつまいも甘酒」の商品化を行いました。県内の山口こうじ店さんのご協力を得ながら、100%県産の六次化商品ができました。また、土日には地元JAの直売所にて焼き芋を販売したり、市内の菓子業者さんとも連携し、プリンやスイートポテトの原材料としても使っていただいています。
 

■実際に農家になってみて

ー就農したいと思った時、まずは何からスタートすれば良いのでしょうか?
 
安田氏:まずは市役所農林課に「農業をしたいです」ときちんと相談するのが一番です。相談せずに自己流でやると余計な出費が出てしまいますし、まずはご相談を!
 
佐藤氏:農業で食べて行かなくてはいけないので、どのくらいの収入が得られてどのくらいの労働力があるかをきちんと把握しなくてはいけません。ただ未経験の人にはそれが分からないので農業研修を経てから行うのがいいと思います。新規就農者向けの補助制度もありますので、そのためにも役所窓口へ相談を。
 
【視聴者】兼業農家から始めたほうが良いですか?有機農業、自然栽培への自治体からのサポートはありますか?
 
佐藤氏:兼業から始めるのも一つの方法だと思います。技術を磨いて収量をあげられるようになってから専業にするという道もあります。有機農業と自然栽培は技術習得も販路確保も難しいため、初心者にはハードルが高いかもしれませんね。自治体としてはまずは収量をしっかりと確保して収入を得る、経営基盤を固めるためのサポートを行うため、有機農業の特化したサポートは現状ないですね。
 
【視聴者】兼業でスタートしようと思っていますがお金が心配です。
 
安田氏:生々しい話ですが、僕は家族もいますので1年間で生活費は600万かかりました。研修中の半年は無収入だったので、預金残高がどんどん減っていくのは怖かったですよ。。しかし研修中は「準備型」という国の補助金(49歳まで)があり150万円の補助が出ます。兼業だとそれは使えませんので、そこは考慮したほうがいいですね。
 

■サラリーマン時代と比べた生活の変化

 
佐藤氏:正直なところ、軌道に乗るまでは収入はかなり減りますし、天候や相場によって収入が変動するので不安定にはなります。しかし、規則正しい生活になりノンストレスになり体調が良くなりました。待っているお客さんのためにやっているという実感があるので、休みがなくても全く苦になりませんね。
 
安田氏:サラリーマン時代は1秒でも長く寝ていたくて、朝ごはんが食べられなかったのですが、農業を始めてから朝ごはんをしっかり食べれるようになりました。付き合いで吸っていたタバコも吸わなくなり、ストレスもなく肌艶が良くなりました。もちろん周囲に敬意は払っていますが、農業は人付き合いに利害関係がないので人の顔色を伺ったりせずに生きやすくなりました。自分のスキルを総動員しているので、人間力も上がります。
 

■農業の魅力とこれからの展望

ー農業の魅力とは?
 
佐藤氏:毎週焼き芋を対面で販売していますが「友達にもらって美味しかったから買いにきた」「毎週買いにきてる」とお客様の声を直接聞かせてもらえるのが嬉しいです。農業は自分で考えて行動し、収穫・販売するという自己責任なので、仕事してるな、生きてるなと実感することができます。やればやるだけ作物はちゃんと答えてくれますしね。
 
安田氏:農業は自由なんです。起床時間も、やる・やらないも自分次第。実際やってみて思いますけど、やっぱり生きてる実感が湧きますよ。僕も就農前は会社のために尽くしてきて、自己犠牲を払ってきたんですけど、今思えば10年早く脱サラして農業始めたらよかったと感じてますね。会社のために苦痛だな、やるしかないなと思いながら働かれている方には、こういった選択肢もあると知ってもらえたら嬉しいですね。
 
 

ーこれからの目標について教えてください。
 
佐藤氏:近い将来、「福島県内でさつまいもといえば松や農園」と言われるくらいのさつまいも農家になりたいです。さつまいも栽培により結果的に遊休農地が減り、農業環境が維持されて次の世代に継いでいってもらえればいいなと思います。
 
安田氏:近くのキャンブ場にドローンを用いて、採れたての椎茸を配達したいと考えています。準備も着々と進んでいて、今年の春からテスト飛行も行なっていく予定です。最先端のものを使って、自由で新しい農業、いわば令和の農業をやっていきたいと思ってるんですよね。担い手を増やしていくためにも、使えるものは使って、誰もやってないからこそやってみる、そんな楽しくて自由な農業を自分が体現することで、若い世代にも興味を持ってもらいたいですね。
 


 
今回のセミナーはオンラインより13名の方にご参加いただきました。
ご参加いただいた皆様からは……
 
・生き生きと農業に取り組まれるお二人のお姿に、元気と勇気をもらった
・説明が分かりやすく、農業のイメージが良くできました
 
などの嬉しいご感想をいただきました。
ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。
 

ゲストのサラリーマン時代のご苦労や日々の葛藤などのお話においては、参加者も大きくうなづきながら共感されていらっしゃいました。今後も農家さんのリアルをお届けするイベントを開催してまりますので、ぜひお気軽にご参加ください。
 
弊社では、今後も田村市で活躍する農家さんのお話が聞けるオンラインイベントを開催して参ります。
SNSでも情報を発信しておりますので、こちらよりご確認ください。
https://www.facebook.com/tamuragurashi
 
【主催】福島県田村市
 
本取組は「1次産業による持続的関係人口構築戦略※」の一環として実施しています。
 
※農林業を通じて地域活性化を図り、市外の方へ田村市の魅力を発信することで、移住・定住者を増やすための取り組み。

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