【開催報告】たむら農家にズームイン#3|仲間大募集!利幅日本一を目指す繁殖和牛農家の話

11月10日(水)zoomおよびFacebookによるオンラインイベント「【たむら農家にズームイン#3|仲間大募集!利幅日本一を目指す繁殖和牛農家の話」を開催しました。
 ゲストに株式会社和農 代表 高橋将志氏をお迎えし、就農までの経緯や現在の奮闘ぶり、高橋氏が目指す利幅日本一へつなげる繁殖経営の手法や、具体的な仕事内容などについて詳しくお話しを伺いました。
 
【ゲスト略歴】株式会社和農 代表 高橋将志氏

福島県田村市都路町で約200頭規模での繁殖肉牛経営を行う若手畜産農家。就農前は、自衛隊に在籍し、退任後は神奈川県でプロのスノーボーダーを目指す傍ら、自動車修理工場で整備士として勤務。震災翌年に帰郷し、長距離トラックの運転手も経験。その後、実家の家業である繁殖農家を継ぎ、2017年に会社を設立した。受精卵移植を活用しながら、自給飼料を基本とした低コスト経営を行い、利幅日本一を目指している。
 
 
 


 
 
 


■就農・起業までの経緯

 
 



 

 
ー就農前の経歴を教えてください。
 
高橋氏:高校を卒業したあとは陸上自衛隊に所属し、そのあと自動車工場に勤めました。その後、東日本大震災震災が起きたことをきっかけに27歳の時に地元に戻りました。地元に戻ってすぐに就農したわけではなく、長距離運転手として仕事をしていました。
 
ー畜産の道に進んだきっかけは何だったのでしょうか?
 
高橋氏:両親がもともと畜産をやっていました。震災の影響もあり値段が下がってしまったため、周囲が続々と畜産をやめていったのですが、うちの両親は「絶対に値段が戻るから」と増頭をしました。久々に実家に帰った時、昔より牛の数が増えていましたね。生まれた時から家に牛がいたので、きっかけといいますか、家畜に抵抗がなかったというのが理由ですね。
 
ー最初はご両親と一緒に畜産を行っていたのですか?
 
高橋氏:そうですね。最初は家業を継ぐという形で一緒にやってました。
 
ー実家を継ぐのではなく起業を選んだ理由は?
 
高橋氏:うちの親は兼業農家で、勤めながら畜産をしていました。小さい頃には働いている両親の記憶しかありません。そんな中、いろいろな面で助言してくださった方に出会い、親とは違うやり方で親を超えたいと思い独立しました。
 
ー起業したのはいつですか?
 
高橋氏:4期目です。最初の一年は牛がいなかったので、実質最初の一年は回っていませんでしたね。
 
ー震災後の補助金について教えていただけますか?
 
高橋氏:被災12市町村農業者支援事業という補助金があり、設備投資にかかる事業費の4分の3を補助してくれる制度を利用させていただきました。実質個人負担は4分の1ですね。トラクターやコンバインなどの導入に使わせてもらいました。


 
ー初期投資はいくら自己負担ですか?


高橋氏:規模によりますね。コンバインだけでも一千数百万円かかります。一台だけでは仕事にならないので、全体で何千万円もかかりましたね。新規参入だけでなく、もともと就農していた農家さんも補助金を利用できます。

 

 


■設備投資を最小限に抑えた秘密


 

 



 

 

ー初期投資をかなり抑えていらっしゃいますが、どのような工夫をされたのですか?
 
高橋氏:うちには牛舎4棟、倉庫2棟、牛200頭いますが、この規模で3,000万円で作りました。同規模のものを業者に頼んで作ると億単位でお金がかかると思います。自分一人で作ったわけではありませんが、同業者に協力を得て案を出してもらい、自分たちで作りました。
連動スタンションといって、牛の首を固定して自分の分の餌だけ食べるようにする機械も自分で作りました。うちに入った業者は、電球の差し替えと水のボウリングのときだけですね。
 



ー完成まで1年間かかったとのことですが、つきっきりで作ったのでしょうか?

 
高橋氏:実家の家畜の管理と、田んぼの管理もしながら少しずつ続けて1年間かけて作りました。建設や土木の経験とかはなかったのですが、初期投資を抑えたかったんですよね。この業界は牛を入れてから利益を回収するまで時間がかかるので。事務所もコンテナを二つ買ってつなげて作りました。



 
 


■和牛農家のお仕事



 
 

 
 
ー具体的なお仕事の内容もお聞きしたいのですが、飼料も手作りされてるんですよね?


 
高橋氏:はい。飼料としてお米と牧草を作ってます。粗飼料(家畜に与える飼料の中で、生草や乾草、わら類などのこと)ですね。人間でいうところの『ご飯』(主食)のようなものです。タンパク質やトウモロコシなど栄養を詰め込んだペレット状のようなものを濃厚飼料といい、これは『おかず』になりますね。ホールクロップサイレージという方法で保存すると、繊維に水分が残ったままになり発酵することで牛好みの味になるんですね。自家栽培することで経費削減にもつながります。
日本では現在、お米を作りすぎないようにお米以外のものを作ると国から補助金が出る制度があります。10haあたり8万円の補助金が出るので収入を得ながら牧草を作ることができます。自分で飼料を作ることで、堆肥の処理にもつながります。


 


【視聴者】赤っぽい毛色の牛と、黒っぽい毛色の牛がいましたが、種類が違うのでしょうか?


 
高橋氏:種類が違います。うちでは雑種に受精卵を移植して代理出産をさせて黒毛和牛を生ませています。種類がいろいろいますね。



 

ー分娩補助もするんですね。生まれた仔牛はどのくらいの大きさなんでしょうか。


 
高橋氏:生まれた仔牛は30kg〜60kgですね。人間と同じで重さもバラバラですね。自然に分娩されると思いますが、気づかないうちに窒息してしまったりすることもありますので、うちでは必ず分娩に立ち会うようにしています。
 

ー人の手でやることは実は少ないのでしょうか?
 


高橋氏:機械でやることの方が多いですね。仔牛にミルクをあげるなどは手作業でやっていますが。分娩についても牛の体温をシステムを利用して管理しています。概ね分娩の24時間前に体温が下がるので、そうするとシステムからメールが届きます。


 
 


■今後の目標について

 
 

 
 



ー今現在、仔牛一頭あたりの利幅はいくらでしょうか?
 
高橋氏:現在、仔牛一頭あたり75万円、雄だと80万円くらいですね。生産原価がかかるので、うちの会社では一頭20万円の利益を出すのが最低ラインですね。

 


【視聴者】建設費が通常とても高いようですが、結構長い期間使用できるのでしょうか?メンテナンス費用なども気になります!


 
高橋氏:鉄鋼作りなので耐用年数30年間あります。牛舎のコンパネなどは手作りなのでメンテナンス費用は今後かかるとは思います。


ー高橋さんのところは従業員は正社員1人とアルバイト1人で行っているんですよね。高橋さんの方で一緒に働く方も募集中ですので、一緒に働きたい方がいらっしゃいましたら、事務局からお繋ぎしますので事務局にご連絡ください。
 


【視聴者】農業分野においては、スマート農業等の導入など、IoTなど次世代技術の導入が進んできている印象があります。何か、省人化につながる取組などされていることはありますでしょうか。




 
高橋氏:機械を導入していますが、200頭いれば200頭違うので、どんなに機械でやっても必ず人が見るようにしています。機械を入れて楽になる面もあるし、牛に対して疎かになることもあると思っています。
 


ー農業のように自動で温度管理したり、人がいなくても完全に管理できるシステムとかは?
 


高橋氏:そこまでではないのですが、牛の首につけて歩数や体温を管理し、発情や分娩を見逃さないようなシステムはあります。うちの場合はまだ必要ないかなと考えています。
 




【視聴者】牛糞も多く出ると思うのですが、肥料にして販売するルートもあるのでしょうか?
 


高橋氏:うちでは肥料販売はしていません。肥料として販売するにも、きちんと完熟させないと売れるような肥料にならないので、その費用もかかってしまいますね。


 
ー今後の目標について教えてください。
 


高橋氏:今は繁殖という内容で仔牛を生産して、仔牛のまま売っていますが、これを一貫経営して自分でお肉までにして売りたいですね。規模の拡大、増強もしていきたいです。背中を押してくれた方の影響を受けて、利幅日本一を目指しています。一般の繁殖農家とは違うアプローチをしていますね。一頭から得る利幅を追求していきたいと思います。
 
 
 


 
 
今回のセミナーはオンラインより10名の方にご参加いただきました。
 
牛舎をゼロから施工をされた高橋様のエネルギー溢れる行動力には驚くばかりで、聞いているだけで勇気をいただけるお話でした。参加者にはお仕事内容について、動画を交えて牛舎の臨場感と迫力のある作業風景をご覧いただき、高橋様が感じる畜産の魅力や生の声をお届けすることが出来たのではないかと思います。

 

ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。
 
 


 
【たむら農家にズームイン】では、今後も田村市で活躍する農家さんのお話が聞けるオンラインイベントを開催して参ります。
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【主催】福島県田村市
本取組は「1次産業による持続的関係人口構築戦略※」の一環として実施しています。
※農林業を通じて地域活性化を図り、市外の方へ田村市の魅力を発信することで、移住・定住者を増やすための取り組み。

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